QCサークル活動とは?(裏)

QC(Quality Control)活動。それは品質を向上させ、コストを削減し、作業効率を改善する……立派な活動です。

…立派な活動?

「QC活動で一番改善したいのは、QC活動なんじゃないか?」

QCに関わったことのある人なら、一度はこう思ったことがあるかもしれません。

実はこの活動、目的が「改善」なのか「発表」なのかで、やり方が180度変わります。

そしてもし目的が発表なら、正直に言ってやる意味はありません。

見た目だけのパフォーマンスに終わり、現場は何も変わらない。

つまり、ただの時間の無駄という構図が出来上がるからです。

それでも現場では、発表目的のQC活動が量産され続けています。

発表用QCでは、次のようなことが起きます。

目次

テーマ選定の裏側 ― 一番の問題は、選ばれない

そもそも、心の底からQC活動をやりたい人などいるのでしょうか?

上司から「そろそろQC活動もやってもらわないと」とチェックが入る、他の班がやっているから自分の班もやらざるを得ない。

大抵はそんな消極的な理由で活動が始まります。

そしていざテーマを選ぶ段になると、セオリー通りにはいきません。

「不具合発生ランキング1位」を選んではいけない、という暗黙の了解があるからです。

考えてみれば当然の話です。

その不具合が1位に君臨しているのは、それだけ根が深く、慢性化していて、誰も解決できていないからです。

長年手をつけられなかった問題が、数回のQC活動如きで解決するはずがありません。

だから選ばれるのは、「不具合発生ランキング1位」ではなく「みんなの声ランキング1位」。

パッと見それらしいテーマに見えて、実際は数日あれば片付くような、ちょうどいい軽さの案件です。

本気で解決したいテーマではなく、活動として成立させやすいテーマ。

これが、現場のテーマ選定における本当の基準です。

「小集団活動」のはずなのに、なぜか個人戦になる

建前上は「みんなで取り組む改善活動」のはずです。

しかし蓋を開けてみれば、資料を作るのは自分、発表するのも自分、他のメンバーは名前だけ連ねている、というケースが少なくありません。

ある日、上司から言われます。「じゃあ、今回は〇〇さん、よろしく。」

その瞬間、小集団活動は終了です。

担当者という名の生贄が誕生します。

会議で「進捗どうですか」と聞かれ、答えるのはいつも同じ人。

周りは頷くだけ。

小集団活動という名の、実質ソロプレイです。

チーム名だけは立派なんですよね。「〇〇改善隊」みたいな。

中身は一人なのに。

ちなみにそのチーム名も、大抵は生贄となった本人が一人で考えます。

そもそも、QC活動をする時間がない

通常業務をこなしながら、QC活動の時間も確保しなければなりません。

しかし現実は、通常業務だけで一日が終わります。

そんな中で、こう言われます。「では、QC活動も進めてください。」

……なるほど。

つまり、仕事をしながら仕事をしろ、ということですね。

結局、QC活動の時間は「定時後」か「昼休み」に押し出されます。

改善活動のために自分の休憩時間を削る。

本末転倒とはこのことです。

「業務時間内にやっていいですよ」と言われるものの、業務時間内には業務があるので無理な話です。

結局、資料作りは家に持ち帰ることになり、気づけば休日の一部までQC活動に溶けていきます。

私生活にまで影響する……これ、ただの改悪活動では?

発表練習に、異常な時間を割く

発表資料が完成したら、次に待っているのはリハーサルです。

話し方、間の取り方、スライドをめくるタイミング。

すべてが調整の対象になります。

「その言い方だと弱く聞こえる」「ここはもっと間を取って」。

上司からのダメ出しが飛んできます。

さらに、ストップウォッチ片手に本番さながらのタイムを計られます。

「発表は10分以内で」と言われ、改善した案件を発表紹介するのになぜ制限時間がいるのか本当に疑問です。

肝心の「改善」の中身より、「発表の見栄え」に工数が割かれていく。

気づけば、品質管理の発表会なのか、話し方教室なのか、分からなくなってくる瞬間です。

結論、「改善」ではなく「ストーリー」を作る

そう、発表目的のQC活動の最短ルートが、これです。

QC活動には決まった型があります。

現状把握、要因分析、対策、効果確認、というストーリー展開です。

ただし、この型を一からなぞる必要はありません。

自部署で、すでに解決済みの案件を選んでくる。

どんな簡単な案件でも構いません。

あとは、QC七つ道具を使いながら、現状把握、要因分析、対策、効果確認というストーリーを当てはめていくだけです。

大事なのは中身の難易度ではなく、いかに頑張った風に見せるか。

簡単に片付いた話でも、型に沿って理由や過程をそれらしく後付けすれば、立派な資料の完成です。

結果が先にあって、理由を後から作文する。

これが最短です。

最速のコツは、過去資料を参考にさせてもらう

発表目的のQC活動で、できるだけ時間をかけたくないなら、過去のQC資料を使うのが手っ取り早い方法です。

現状把握、要因分析、対策、効果確認。

だいたい流れは決まっています。

自分が以前作った資料でもいい。

同じチームで過去に作った資料でもいい。

過去資料から使える背景や構成を持ってきて今回のテーマに使わせてもらう。

そうすると、毎回ゼロから資料を考える必要がなくなります。

まとめ そんなQC活動は、誰のためなのか

発表が終われば、表彰されたり、拍手されたりします。

でも、その後に現場が変わったかというと、なにも変わってない。

そもそも、なぜQC活動をするのでしょうか。

「QCを開催する時期だから」
「今年も発表があるから」
「何かテーマを決めて活動しないといけないから」

そんな理由で始まることもあります。

ところが、QC活動をやれと言われても、そのための時間が十分に与えられるわけではない。

通常業務をこなしながら、資料を作り、発表の準備をする。

気がつけば、現場の問題を改善することよりも、期限までに発表できる形に仕上げることが目的になっている。

もちろん、QC活動そのものが悪いわけではありません。

本来の目的が「現場を改善すること」なら、やる意味はある。

問題を見つけ、原因を考え、対策をして、仕事を少しでも良くしていく。

それがQC活動のはずです。

でも、

「改善するためにQC活動をする」のか。
「発表するためにQC活動をする」のか。

この2つは、やっていることがかなり違います。

それなら、一番改善したいのは不具合ではなく、QC活動そのものなのかもしれません。

そして、QC活動は何のためにやっているのか。

目的が変われば進め方も変わると思っています。

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